海外安全対策情報・令和元年度第4四半期
1.社会・治安情勢
連邦区は,ブラジル内では比較的安全と言われていたが,人口当たりの犯罪発生率で比較した場合,サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に,衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では,路上強盗,車上狙い,自動車盗,薬物密売等の犯罪が日常的に多発している。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局による2019年の犯罪統計によれば,連邦区における殺人事件の発生件数は前年同期比-8.7%を記録し,各種強盗(歩行者強盗,住居強盗,自動車強盗,バス強盗等)はいずれも前年同期比で減少を記録する等,犯罪発生件数は全体的に減少傾向が継続しているものの,依然として幹線道路沿いやショッピングセンター,バスターミナル,バス停等,市民の身近な場所で日常的に各種犯罪が頻発している。
特に財産犯のうち半数以上を占める歩行者強盗は,多くの場合,携帯電話が狙われていることから,路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。なお,強盗犯罪の特徴として,殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され,抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。
(2)邦人が多い地域での被害事案
ア ラゴ・スウにおける警察と強盗団の銃撃戦の発生・検挙
1月16日(木)午前11時30分頃,ロレックスの腕時計を身につけた者を狙って犯行を繰り返してきた強盗団(3人組)の所在が判明したことから,邦人も利用するブラジリア市内ラゴ・スルQl11に所在するショッピングセンター「DECK SUL」駐車場付近で警察が身柄を拘束しようとしたところ,強盗団のうち1名が発砲して警察と銃撃戦となったもの。強盗団は3人とも警察に逮捕された。
イ アザ・スウにおける路上強盗事件の発生・検挙
1月27日(月)夜間,邦人も居住するブラジリア市内アザ・スウ406番付近の路上で若者2人組による路上強盗事件が発生,通報を受けた警察が現場付近で検索した結果,犯人らを発見・検挙した。犯人らは現金や被害者から奪った携帯電話の他,模造拳銃を所持していた。
ウ ブラジリア市内中心部バスターミナル上階における強盗殺人事件の発生
3月7日(土)午前5時頃,邦人の生活圏内に所在するブラジリア市内中心部のバスターミナル上階において,被害者(男女2名)がフェスタから帰宅するために配車アプリで呼んだ車両を待っていたところ,突然現れた3人組の犯人に男女とも携帯電話を奪われ,更に被害男性は胸部をナイフで刺されて死亡した。
エ スドエスチにおける新型コロナウイルス検査を騙った住居侵入未遂事件の発生
3月19日(木)午後1時30分頃,ブラジリア市内スドエスチ300番Bl Qに所在するマンションにおいて,2組の男が門衛(ポルテイロ)にコロナウイルス検査のために来訪したと騙り,部屋番号と住居者名を申告したが,連絡を受けた住民が身に覚えのない来訪であったことから不審に思い,建物内に入れないよう指示すると共に,警察への通報を要請。2組の男は,通報を受けた軍警察が到着する前に逃走した。
3.日本企業の安全に関わる諸問題
特段の情報はない。