平成30年度対ブラジル無償資金協力「ベネズエラ難民・移民人道支援計画(UNHCR連携)」事業の視察

令和2年2月17日
     令和2年(2020年)1月31日,当館山田大使と鳴海書記官は,無償資金協力「ベネズエラ難民・移民人道支援計画」事業(供与限度額4.17億円・約368万米ドル)の実施状況の確認のため,ロライマ州ボアビスタ市にある,国内移送審査・難民登録センターを訪問しました。

     日本政府は,ベネズエラの経済・社会情勢の悪化により,ベネズエラからの避難民を含むベネズエラ国民への民生支援と,影響を受けている周辺国に対して継続して支援を行っています。この資金協力の成果として,ロライマ州,アマゾナス州及び,パラ州で,ベネズエラ難民・移民のブラジルにおける入国時登録,保健医療,児童保護等に関する体制の整備が進められており、避難民の方のブラジルでの新しい生活を整えることに貢献しています。

     関係者の説明によれば、現在も一日約500名あまりの避難民がベネズエラからブラジルに入国しています。ボアビスタ市内の病院では避難民とブラジル人を含め手術の必要な患者が多数おり,医師不足や医療器材の不足が問題となっています。さらに,ベネズエラ避難民の問題がブラジルの社会サービスに影響を与える問題となっているとのことです。

     日本政府の協力によって、避難民のための入国や国内移送のための手続きが円滑に進むようになったことが関係者から挙げられました。避難民がブラジルに入国した後は身分登録や予防接種などの事務手続きが必要になります。日本政府は、これらの手続きが効率的に進むよう、語学教育の支援、必要な資機材や相談員の配置といった運営のために必要な資金を提供しています。また、プロジェクトの職員が着用するTシャツは日本政府からの資金協力により支援されているものです。ピンク色のTシャツを着用した職員たちは、心理的なサポートを必要とする方の専門の相談員です。このように視覚的にわかりやすく、様々なニーズを求める避難民の方々が声をかけやすい環境を作ることにも貢献しています。

     山田大使は,「今後ともベネズエラ避難民支援について,可能な協力を検討していく所存です。実施機関は,同資金を適切かつ効果的に活用し,ベネズエラ避難民らのブラジル社会における生活の円滑な順応を支援することを期待しています。」と述べました。
 
国連関係者・ブラジル陸軍関係者と山田大使
国連関係者・ブラジル陸軍関係者と山田大使
事業関係者と山田大使
事業関係者と山田大使
避難民の子友達と山田大使 避難民の子友達と山田大使
避難民の子友達と山田大使
事業の説明を受ける山田大使 事業の説明を受ける山田大使
事業の説明を受ける山田大使
事業の説明を受ける山田大使
事業の説明を受ける山田大使
プロジェクトのTシャツ
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