海外安全対策情報・令和元年度第3四半期

令和2年1月8日

1.社会・治安情勢

     連邦区は,ブラジル内では比較的安全と言われていたが,人口当たりの犯罪発生率で比較した場合,サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に,衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では,路上強盗,車上狙い,自動車盗,薬物密売等の犯罪が日常的に多発している。

 

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)連邦区公安局による2019年上半期の犯罪統計によれば,連邦区における殺人事件の発生件数は前年同期比-11%を記録し,強盗(歩行者強盗,住居強盗,自動車強盗等)も前年同期比で減少を記録する等,犯罪発生件数は全体的に減少傾向が継続しているものの,ブラジリア市内でも幹線道路沿いやショッピングセンター,バスターミナル等,市民の身近な場所で日常的に各種犯罪が頻発している。

     特に財産犯のうち半数以上を占める歩行者強盗は,多くの場合,携帯電話が狙われていることから,路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。なお,強盗犯罪の特徴として,殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され,抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また,麻薬売買・所持は前年同様に多数発生していることから,麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。

(2)邦人が多い地域での被害事案
ラゴ・スウ地区における住居強盗事件の発生
     10月28日(月)午後3時頃,邦人も居住するラゴ・スウ地区の一戸建て住宅にナイフを所持した男(33歳)が敷地裏手から侵入し,住居内にいた家人の他,家事手伝い2名を拘束の上,現金,時計,香水等を強取した後,家人に自動車を運転させパラノア方向に逃走しようとしたもの。逃走中,男は後部座席から被害者にナイフを突き付けていたが,給油に立ち寄ったガソリンスタンドにおいて,検索中の軍警察に発見されて逮捕された。

スドエスチ地区における短時間誘拐事件の発生
     12月11日(木)午前9時頃,邦人も居住するスドエスチ地区において,4人組の男が母子を拘束して車両に乗車させ,複数の銀行で被害者に現金を引き出させた後,更に他の銀行で現金を引き出させようとしたところ,不審な状況に気付いた店長が店舗を閉鎖し犯人1名を閉じ込め,警察に通報した。臨場した警察により母子は解放されると共に犯人1名を逮捕したが,店舗前に駐車した車両内で待機していた他の3名は逃走した。

 

3.日本企業の安全に関わる諸問題

     特段の情報はない。