海外安全対策情報・令和元年度第2四半期
令和元年10月8日
1.社会・治安情勢
連邦区は,ブラジル内では比較的安全と言われていたが,人口当たりの犯罪発生率で比較した場合,サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に,衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では,路上強盗,車上狙い,自動車盗,薬物密売等の犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局による2019年上半期の犯罪統計によれば,連邦区における殺人事件の発生件数は前年同期比-11%を記録し,強盗(歩行者強盗,住居強盗,自動車強盗等)も前年同期比で減少を記録する等,犯罪発生件数は全体的に減少傾向が継続しているものの,ブラジリア市内でも幹線道路沿いやショッピングセンター,バスターミナル等,市民の身近な場所で日常的に各種犯罪が頻発している。特に財産犯のうち半数以上を占める歩行者強盗は,多くの場合,携帯電話が狙われていることから,路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。なお,強盗犯罪の特徴として,殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され,抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また,麻薬売買・所持は前年同様に多数発生していることから,麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。
(2)邦人が多い地域での被害事案
ア アザ・ノルチ地区における強盗殺人未遂事件の発生
8月6日(火)夜間,邦人も居住するアザ・ノルチ地区の路上で男性が顧客との商談のため徒歩でレストランに向かっていたところ,2人組の男(うち1人はナイフ所持)から所持品を渡すよう要求されたが,被害者が所持していた携帯電話やリュック等をそれぞれ別々の場所に投棄したため,犯人に胸部や脇下等をナイフで刺傷されたもの。
イ セントロ地区のバスターミナルにおける強盗致傷事件の発生
8月13日(火)午前5時45分ころ,邦人が頻繁に利用するセントロ地区のショッピングモール近くに所在するバスターミナル内で物品を販売していた男性が複数人の男(うち1人は刃物を所持)から所持品を渡すよう要求されたが,被害者が抵抗したため,犯人から刺傷されたもの。
ウ アザ・ノルチ地区のバス停における強盗事件の発生
9月3日(火)午後10時30分頃,邦人が居住するアザ・ノルチ地区のバス停でバス待ちをしていた客が2人組の男からナイフで脅され,リュックサックを強取されたもの。
エ アザ・ノルチ地区の住宅における強盗事件の発生
9月16日(月)午前11時ころ,邦人が居住するアザ・ノルチ地区の戸建住宅地区において,武装した2人組の男が住居内に侵入し,住民夫婦を拘束したものの,助けを求める被害者の叫び声を聞いた近隣住民が軍警察に通報したため,現場に急行した警察官によって現行犯逮捕されたもの。
オ アザ・スル地区に所在するイラク大使館への侵入強盗事件
9月27日未明,アザ・スルの大使館地区にあるイラク大使館(当館から約2.7キロの地点)に武装した3人組の賊が侵入し,警備員を拘束の上,大使館内に侵入し,職員用の給与が保管されていた金庫を搬出し,車両にて逃走したもの。