海外安全対策情報・平成30年度第4四半期
平成31年4月3日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、路上強盗、車上狙い、自動車盗、薬物密売等の犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局による2018年の犯罪統計によれば、連邦区における殺人事件の発生件数は前年比-11.8%を記録し、強盗(歩行者強盗、住居強盗、自動車強盗等)も前年比減少を記録する等、発生件数は全体的に減少傾向が見られるものの、人口10万人当たりの発生率で比較すると、依然として他州と同等か、それ以上の発生率である。特に財産犯のうち約6割を占める路上強盗は、多くの場合、携帯電話が狙われていることから、路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。また、強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持は前年同様に多数発生していることから、麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 強盗殺人事件
1月15日(火)午前3時30分ころ、邦人が居住するホテルから約500メートルの地点にあるブラジリア市内セントロ地区所在のバスターミナルにおいて、南銀行地区(SBS)のバーで開催されたフェスタから他の友人二人と共に帰宅中の19歳の男性が、路上生活の男2人から呼び止められて口論になり、男のうち1名に刺され死亡したもの。犯人らは被害者の財布と携帯を奪って逃走した。
イ ATM爆破による強盗致傷事件
3月28日(木)午前4時00分ころ、邦人も利用するブラジリア市内のアルボラーダ宮(大統領公邸)近くのゴールデンチューリップホテル地下駐車場内において、4人組の犯人(うち1人が自動小銃、2人が金属パイプで武装、1人が見張り)が地下駐車場内のホテル従業員を脅して拘束し、2分程の間にATM3台を爆破した後、現金を強取して逃走したもの。爆発により、同従業員2人が軽傷を負った。