山田大使のアマゾナス州・ロライマ州公式訪問

平成31年3月28日
     山田大使は、3月11日から15日にかけてアマゾナス州及びロライマ州を公式訪問しました。

     3月11日,JICA及び国立アマゾン研究所(Instituto Nacional de Pesquisas da Amazônia: INPA)関係者の案内の下,INPA保護区のZF2(Zona Franca 2)タワーを視察しました。40 年前に建設された40mの観測塔は年月を経て老朽化していたため, JICAの支援を得て2017年に7月に修復されました。現在、INPA の各分野の研究者(鳥類、昆虫、哺乳類、森林)がタワーを利用し,動植物の観測を行っていますが,エコツーリズムでの利用も今後の目標となっています。
 


     3月12日,ウィルソン・リマ・アマゾナス州知事,アルツール・ネット・マナウス市長を表敬し,本年の日本人アマゾン移住90周年記念行事や進出日本企業の活動支援等について意見交換を行いました。同日,Panasonic社及びMoto Honda社の工場を見学し,日本企業がマナウスのフリーゾーンにおいて積極的な活動を行い現地社会やブラジル経済に貢献している様子を視察しました。
 

 

 



     3月13日午前には,シジャウマ・バチスタ日本語・ポルトガル語バイリンガル校を訪問し,日本の踊りによる生徒たちの歓迎を受けた後,日本語で授業が行われている様子を視察しました。同校では日本語学習の他,算数や理科を日本語で教える授業やひな祭りなど日本の季節の行事に関する文化活動なども実施されています。
 



     同日,山田大使はマナウスからロライマ州ボアビスタ市に移動し,アントニオ・デナリウム・ロライマ州知事を表敬した後,在マナウス総領事館による草の根・人間の安全保障資金無償資金協力の「聖母ナザレー産科新生児科病院機材整備計画(Projeto de aquisição de equipamentos médicos do Hospital Materno Infantil Nossa Senhora de Nazareth)」署名式に参加しました。同プロジェクトは,ベネズエラの経済社会状況悪化により,多くのベネズエラ人が適切な治療を受けられず,特に脆弱な状態にある妊産婦が同病院に殺到しているという状況を受け,輸液ポンプや手動式人工蘇生器等の購入するもので,総額77,410米ドルの支援を決定しました。このように,我が国は避難民を含むベネズエラ国民に民生支援を行ってきており,現在,国際機関を通じてベネズエラ避難民に対する人道支援を新たに行うべく,必要な準備を進めています。

     その後,ベネズエラ避難民支援を行っている,伯国軍Operação Acolhida(避難民受け入れ作戦)のボアビスタ本部を表敬訪問し,避難民支援にかかるこれまでの取り組み及び現在の受け入れ状況に関し司令官より説明を受けました。
 

 

 



     同日夜には,ロライマ日伯協会主催による歓迎夕食会に参加し,2017年度草の根文化無償「ロライマ日伯協会多目的施設建設計画」によって建設された文化会館を視察しました。同夕食会にはデナリウム州知事夫妻も参加し,日系団体幹部らとロライマ州における日系社会の歴史やアマゾン移住90周年事業等につき意見交換を行いました。
 



     3月14日午前には,聖母ナザレー産科新生児科病院(2018年度草の根・人間の安全保障資金無償資金協力「聖母ナザレー産科新生児科病院機材整備計画」)及び,ベネズエラ避難民支援を行っているNGO施設を訪問しました。同施設では,避難民に対する在留登録や難民登録に関する支援及び子どもへの音楽教育等を行っており,子どもたちが歓迎のため美しい演奏を披露してくれました。
 



     午後にはベネズエラとの国境の街であるパカライマ市を訪問し,伯国軍Operação Acolhida担当者及び国際機関関係者とともに,国境地帯,避難民受け入れ施設等を視察しました。その時点では国境は引き続き閉鎖されており,行き交う人はまばらではありましたが,多くのベネズエラ人が支援を求めて施設に身を寄せていました。同施設では,伯国軍,国際機関,州政府,軍警察,医療関係者及びNGO等様々な機関が協力し,避難民らのブラジルにおける生活立ち上げのための各種支援を行っていました。