海外安全対策情報・平成30年度第3四半期
平成31年1月7日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局による2017年上半期の犯罪統計によれば、殺人事件の発生は過去28年で最低レベルを記録し、歩行者強盗、住居強盗といった体感治安を悪化させる身近な犯罪の発生件数も前年同期に比べ減少が見られるものの、依然として連邦区各地で多発している。特に財産犯のうち約6割を占める路上強盗は、多くの場合、携帯電話を狙われていることから、路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も依然として多いことから、麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 短時間誘拐
10月2日夜間、邦人宅から約400メートルの地点において、被害者の女性が塾から出て車両に乗車する際、犯人に声を掛けられ車両を強奪されると共に、同車両でブラジリア近郊まで連れ去られた後、開放されたもの。
イ 強盗殺人
12月8日午後、邦人も訪れるブラジリア市内のパラノア湖畔において、湖で潜水をしていた恋人を迎えに来た被害者(41歳・男性)が湖畔の未舗装路上でナイフ・銃器を所持した犯人(男1名)に拘束され、ナイフで刺殺された後、車両と共に携帯電話、潜水器具、ノートパソコン、キャッシュカード等を強取されたもの。