海外安全対策情報・平成30年度第2四半期
平成30年10月4日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局が発表した2017年の犯罪統計によれば、殺人事件の発生は過去15年で最低を記録する一方、性的暴行については届出件数、発生件数共に前年比で大幅に増加しており、歩行者強盗、住居強盗といった体感治安を悪化させる身近な犯罪も発生件数が大幅に増加した2016年以降、依然として多発傾向が続いている。特に財産犯のうち約6割を占める路上強盗は、多くの場合、携帯電話を狙われていることから、路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も依然として多いことから、麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 殺人
7月4日午後3時ころ、邦人も頻繁に利用するブラジリア市内中心部のショッピングセンターから約300メートルの位置にあるバスターミナル付近において、露天商の親子3人が何者かに銃撃され、うち母親と息子が死亡したもの。
イ わいせつ目的略取・強制性交等
9月5日午後0時ころ、邦人宅から約600メートルの路上において、被害者の女性が一人でバス停に向かって歩いていたところ、面識のない犯人(男1名)にナイフを見せられ、無理矢理車両に乗せられた後、ブラジリア市内中心部の公園内の駐車場まで連れ去られ、同駐車場付近で暴行されたもの。