海外安全対策情報・平成30年度第1四半期
平成30年7月4日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)連邦区公安局が発表した2017年の犯罪統計によれば、殺人事件の発生は過去15年で最低を記録する一方、性的暴行については届出件数、発生件数共に前年比で大幅に増加しており、歩行者強盗、住居強盗といった体感治安を悪化させる身近な犯罪も発生件数が大幅に増加した2016年以降、依然として多発傾向が続いている。特に財産犯のうち約6割を占める路上強盗は、多くの場合、携帯電話を狙われていることから、路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も依然として多いことから、麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 車上狙い
5月5日午後1時頃から午後2時30分頃までの間、邦人も頻繁に利用する日系人スポーツクラブに隣接する公共駐車場内に在留邦人が車両を駐車し、同クラブ内の日本食レストランで食事をして戻ったところ、車両右後部窓ガラスが割られ、車内に置いていた旅券、パソコン等在中のリュックサックが窃取されていた。
イ 短時間誘拐
5月11日午後11時頃、邦人住居から約1Kmの地点に所在するマンション屋外駐車場内で、帰宅した被害者が車両を駐車後、車内で携帯電話を使用した後に降車しようとしたところ、4人組の被疑者に車内後部座席に押し戻され、同車両にて翌日午前3時頃まで連れ回され、被害者のカードで現金を下ろしたり飲み物を購入させられたりした。
ウ 住居強盗
5月16日午前11時頃、邦人住居から約300メートルの地点に所在する一般住宅に保健局職員を騙る2人組の男が訪問し、敷地内でデング熱対策の検査実施を装った後、敷地外で待機していた他の2人の被疑者と共に家人及び使用人らを拘束してテレビ、時計、現金等を強取し被害者所有の車両にて逃走した。
エ 短時間誘拐
6月8日夕方、邦人子女が通学する学校至近の大学駐車場で車に置いていた資料を取りに車に戻ったところ、犯人に車に乗るように脅され拘束された。その後、被害者はトランクに入れられ、隣町まで移動した後に解放された。犯人は女性から携帯電話を奪い、女性の車輌で逃走した。
オ 短時間誘拐
6月9日午後10時頃、邦人も使用するショッピングセンター横の駐車場で、女性2人が駐車していた車に乗ろうとしたところ、ナイフを持った犯人に車に乗るように脅された。女性の内1人はすぐに逃げ出したが、もう1人は逃げることができず、犯人を乗せて車を運転した。途中、被害者は運転席のドアを開けて車から飛び出した。犯人は車で逃走したが、軍警察に追跡され路肩の木にぶつかり逮捕された。