海外安全対策情報・平成29年度第4四半期

平成30年4月4日

1.社会・治安情勢

     連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。

 

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)連邦区公安局が発表した2017年の犯罪統計によれば、殺人事件の発生は過去15年で最低を記録する一方、性的暴行については届出件数、発生件数共に前年比で大幅に増加しており、歩行者強盗、住居強盗といった体感治安を悪化させる身近な犯罪も発生件数が大幅に増加した2016年以降、依然として多発傾向が続いている。特に財産犯のうち約6割を占める路上強盗は、多くの場合、携帯電話を狙われていることから、路上における携帯電話の使用は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴として、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も依然として多いことから、麻薬に起因した犯罪に巻き込まれないように注意が必要である。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用等に関連していることが多い。

(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 強盗殺人未遂
     1月8日午後10時40分頃,アザ・スウにある住宅地において,交際相手の家に向かっていた被害者(女性54歳)が,交際相手宅前の路上に駐車し,車から降りたところ,銃を所持した2人組の強盗が近づいてきた。強盗は被害者に性的暴行を加えようとしたが被害者が抵抗したため,被害者の胸部に発砲して逃走した。

イ 住居強盗
     2月7日午前,邦人宅から約1kmにある住宅に,3人組の被疑者が車両で現れ,うち2名が住宅の正門から敷地内に侵入,敷地内にいた2人の従業員を拳銃で脅して拘束の上,住宅内から携帯電話・テレビ・家主所有の銃器・電化製品等を強取して逃走した。

 

3.日本企業の安全に関わる諸問題

     特段の情報はない。