海外安全対策情報・平成29年度第3四半期

平成30年1月4日

1.社会・治安情勢

     連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等又はそれ以上である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。

 

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)連邦区公安局が発表した本年上半期(1月~6月)の犯罪統計によれば、殺人、強盗殺人、傷害致死等の故意による死亡事件の発生件数は昨年同期と比して減少傾向にあるものの、強盗等の財産犯に関しては、前年比で約10,000件も増加した昨年とほぼ同水準で推移しており、依然高止まり状況が続いている。特に公共交通機関(バス)強盗は昨年同期比で増加しており、更にバス停での強盗事件も多発していることから、公共交通機関(バス)への乗車は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴としては、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も増加していることから、麻薬に起因した犯罪の増加が懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。

(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 強盗
     10月13日午前、邦人宅から約300メートルのショッピングモール内に所在する携帯電話販売店に凶器を所持した2人組の強盗が侵入、店員を脅して所携のビニール袋に携帯電話を入れさせ、同人を倉庫に閉じ込めた後、駐車場にて待機していたもう一人の共犯者と共に車両にて逃走したもの。

イ 強盗未遂
     10月30日昼、邦人が利用するショッピングモール内に所在する携帯電話販売店に拳銃を所持した2人組の強盗(未成年)が、店員を脅して店内の携帯電話を強盗しようとしたが、事件に気づいた他店の店員の通報により警備員が駆けつけたため、強盗を諦めて逃走した。その後、犯人は追いかけてきた警備員により取り押さえられた。なお、逃走中に犯人のうち1人が発砲したが、怪我人は無かった。

ウ 短時間誘拐
     11月15日午前3時頃、邦人が利用する商業施設に近接するバスターミナル駐車場内において、男性が駐車中の車内で携帯電話を使用してメッセージのやりとりをしていたところ、3人組の男(うち一人はナイフを所持)が近づいてきて車両に乗り込み、被害者に運転するように指示をした。被害者は約30分後に釈放されたが、車両と携帯電話を強取された。その後、軍警察が被害車両に搭載されていたGPSにより当該車両を追跡、犯人のうち1人を逮捕した。

 

3.日本企業の安全に関わる諸問題

     特段の情報はない。