海外安全対策情報第2四半期

平成29年10月4日

1.社会・治安情勢

     連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。

 

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)連邦区公安局が発表した本年上半期(1月~6月)の犯罪統計によれば、殺人、強盗殺人、傷害致死等の故意による死亡事件の発生件数は昨年同期と比して減少傾向にあるものの、強盗等の財産犯に関しては、前年比で約10,000件も増加した昨年とほぼ同水準で推移しており、依然高止まり状況が続いている。特に公共交通機関(バス)強盗は昨年同期比で増加しており、更にバス停での強盗事件も多発していることから、公共交通機関(バス)への乗車は可能な限り控える必要がある。強盗犯罪の特徴としては、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、押収量も増加していることから、麻薬に起因した犯罪の増加が懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。

(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 強盗致傷
     7月30日夜間、邦人宅から約500メートルにある公園の駐車場前において、被害者が2人組の強盗からナイフで刺されるなどの暴行を受け、金銭等を強奪されそうになった。その後、軍警察によって被疑者は検挙された。

イ 事務所強盗
     8月1日午前10時30分ころ、邦人宅から約800メートルにある弁護士事務所に4人組(うち3名が武装)の被疑者が侵入し、事務所内にいた被害者ら10名を人質として約40分に亘って事務所内を物色し、携帯電話、パソコン、ピックアップトラック等を強取し逃走したもの。

ウ 強盗殺人
     8月8日午後11時頃、邦人宅から約500メートルの路上において、55歳女性が住居前の駐車場に車両を駐車して帰宅しようとしたところ、2人組の男が近づいてきて被害者を抑え付け、バッグと携帯電話等を強取した後、うち一人が被害者を背後からナイフで刺殺し逃走したもの。

エ 短時間誘拐
     8月15日午後8時頃、邦人が頻繁に利用する鮮魚店付近の路上において、女性が車両を停車させたところ、2人組の男が車両の前後の座席に乗り込んできて、ナイフで被害者を脅し、キャッシュカードの暗証番号を聞き出し、市内を連れ回しながら現金800レアルを引き出し、約2時間後に解放された。

オ 事務所強盗
     9月18日午前10時頃、邦人宅から約500メートルの広告代理店事務所において、従業員が出勤のため事務所内に鍵を開けて入ろうとしたところ、背後から3人組の被疑者(うち1名が武装)が現れ同人を脅し、同人と共に事務所内に侵入して従業員4名を倉庫内で拘束、事務所内からパソコン、携帯電話等を強取して逃走したもの。

 

3.日本企業の安全に関わる諸問題

     特段の情報はない。