海外安全対策情報第1四半期
平成29年7月10日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)当地治安機関の2016年の統計によると、連邦区での犯罪発生件数は前年と比較して増加しており、特に強盗に関しては、前年と比較して約10,000件も増加している。特に歩行者強盗の増加が顕著であるため、外出時は常に周囲の状況に注意して行動する必要がある。強盗犯罪の特徴としては、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、麻薬に起因した犯罪の増加が懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 路上強盗
4月3日の午前中,邦人宅から約500mにあるバス停に通じる地下道において,女性が1人で歩行中に2人組の強盗から携帯電話を渡すように脅された。女性は所持していた携帯電話を手渡したところ,犯人は女性に危害を加えること無く立ち去った。その後,犯人は現場付近で逮捕された。
イ 車上荒らし
4月16日13時頃,ブラジリア連邦区内の娯楽クラブの公共駐車場内において,邦人が私用車を駐車し,昼食後戻ると車内に保管してあったスーツケースが窃取されたもの。なお、車両に破壊された形跡はなく、窃取されたスーツケースは外部から見えない場所に保管していた。
ウ 銃撃による死亡事件
4月20日午前6時30分頃,邦人宅から約300mにあるガソリンスタンド付近の路上でタクシードライバーが銃撃により死亡しているのが発見された。ガソリンスタンドの防犯カメラの映像には,駐車中の被害者の車両の隣に白色の車両が停車し,その車内から出てきた4人の男女と別の男との間で銃撃戦が発生した様子が記録されていたことから,流れ弾による死亡の可能性がある。
エ バス強盗
4月24日午前中,邦人宅から約200mにあるバス停付近において,武装した2人組の男がバスに乗り込んできて,乗客から持ち物を強奪した。同事件後,犯人の1人はバスから降りたところを軍警察に逮捕された。もう1人は現場に通りかかった自動車の運転手を脅迫し逃走したが,その後逮捕された。
オ 住居強盗
5月16日未明,邦人宅から約500mに所在するマンションの入り口において,住人の女性が鍵を開けていたところ,後ろからキャップ帽の2人組の男が近づき,強盗だと告げて女性が所持していたハンドバッグを奪い逃走した。
カ 強盗傷害
5月29日午後,邦人宅から約500mに所在する商業施設に拳銃を所持した2人組の強盗が押し入った。そこに偶然居合わせた非番の軍警察官が,強盗の1人を取り押さえようとしたところ,もう1人の強盗が軍警察官に向かって発砲した。その後,2人組の強盗は何も奪わずに,待機させていた仲間の車に乗って逃走したが,約40分後に近隣の街で逮捕された。
キ 拳銃使用の強盗事件
5月31日午前11時40分頃,邦人宅から約300mに所在する駐車場において,2人組の男が被害者の車両,携帯電話,財布を奪おうとした。警備員が事件に気付いて駆けつけたが,犯人らは警備員に対し4発発砲し,そのまま車両で逃走した。警備員,被害者共に怪我は無かった。
ク 住居強盗
6月8日午前11時40分頃,邦人宅から約300mに所在する家屋において,家人(女性)が子供2人と帰宅した際,3人組の男(うち1人は武器を所持)が乗った車両が近づいてきて,同人らに脅され,自宅のトイレ内に拘束され,現金・宝石類及びテレビを奪われた。被害家屋の庭で作業していた庭師が被害者らの声に気付き警察に通報するも,犯人は現場から逃走した。