海外安全対策情報第4四半期
平成29年4月4日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)当地治安機関の2016年の統計によると、連邦区での犯罪発生件数は前年と比較して増加しており、特に強盗に関しては、前年と比較して約10,000件も増加している。特に歩行者強盗の増加が顕著であるため、外出時は常に周囲の状況に注意して行動する必要がある。強盗犯罪の特徴としては、殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。また、麻薬売買・所持も前年同様に多数発生しており、麻薬に起因した犯罪の増加が懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 住居強盗
1月6日17時頃、邦人宅至近の民家で2人組の拳銃を所持した強盗が、外出しようとした住人を拳銃で脅して住居に侵入し、時計、テレビ、現金及び車両を強奪しようとした。その時、家の中にいたもう一人の住人が状況に気づき、警察に通報した。強盗が車両で逃走しようとしたときに、警察が到着したため、犯人は逮捕された。
イ 電撃誘拐
1月31日17時頃、50歳の女性が誘拐された。誘拐犯は女性の車を奪い、女性を乗せたまま逃走。通報を受けた警察が女性の車両を発見し追跡した。警察車両に気づいた犯人は加速して逃走したが、高架下で横転したため逮捕された。
ウ 車両強盗
2月2日10時頃、路上に停車していた車が2人組の強盗に襲われた。強盗は運転手の女性に拳銃を見せながら、後部座席に移動するように要求した。女性は車から降りたが、後部座席に乗るのは拒否したところ、強盗は車両に乗り込んで逃走した。女性に怪我は無かったが、車両・携帯電話2台・身分証明書・現金140レアルを奪われた。
エ バスでの強盗
2月7日午後、邦人宅付近のバス停で、バスに乗っていた強盗犯がバスから降りるときに乗客の女性の携帯電話を奪おうとした。女性は抵抗したが、バスが動き始めた為,バスから引きずり落とされた。状況に気がついたバスの運転手がバスを停車させたところ、強盗犯は逃走したがバスに乗っていた別の男性客に追いかけられ捕まった。
オ 強姦
2月9日22時頃、邦人宅付近の歩行者用地下通路を歩行中の女性が強姦された。犯人はバイクで近づき、女性の腕をつかんで押し倒し強姦した後にバイクで逃走した。女性の通報によりかけつけた警察が犯人のバイクを発見し、犯人は逮捕された。
カ 強盗殺人
2月18日23時20分頃、邦人宅付近のバス停で、ガソリンスタンド従業員の男性がバスを待っていたところ、男女二人組に金品を要求された。被害者は犯人が武器を持っていないと思い抵抗したところ、ナイフで刺されて死亡した。犯人は現在も逃走中である。
キ 強姦
3月1日23時頃、邦人宅付近のバス停において、女性2人がバスを待っていたところ、バイクに乗った男が近寄り、ナイフを出して強盗に及んだ。被害者の女性2人は携帯電話を持っておらず、所持金も10レアルのみであったため、現金は奪わず女性の1人に強姦を図った。犯人は犯行後バイクで逃走し、現在も逮捕されていない。