海外安全対策情報 28年度第2四半期
平成28年10月4日
1.社会・治安情勢
連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)当地治安機関の2015年の統計によると、連邦区での犯罪発生件数は前年と比較して減少しているものの、住宅強盗については年間で100件以上増加しており、今までの主流であった歩行者や車両に対する強盗から、住宅に侵入し金品を強奪するという、より大胆な手口に移行してきていることが懸念される。また殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。さらに2015年の統計によると、麻薬売買・所持件数は前年より大幅に増加しており、今後は麻薬に起因した犯罪が連邦区内でも増加することも懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。
(2)邦人が多い地域での被害事案
ア 窃盗事件
邦人宅も所在する地域において、長期間不在にしていた被害者が帰宅すると玄関の施錠の一部及び台所口の施錠が破壊され、備え付けの冷蔵庫、TV等の電化製品を含む、室内の家財道具一式が窃取されていた。近隣住民の話では夜間に被害者宅前にトラックが駐車していたことがあり、家人不在を確認後、トラックで家財道具一式を窃取したものと思料される。被害者は既に警察に被害通報し、現在捜査中である。イ 路上強盗事件
7月19日19時頃、邦人宅から約300mの路上において、69歳の女性が2人組の強盗に襲われた。強盗犯は女性を人気の無い場所に連れて行き、お金と携帯電話を出すように要求したが女性は何も所持しておらず、腕と首に負傷したものの夜中に解放された。犯人は捕まっていない。ウ 車上荒らし
8月2日8時頃、邦人子女も通学するアメリカンスクール前の駐車場内に同校職員が自家用車を駐車していたところ、ガラスを割られ車内に置いてあったリュックサックが盗まれた。治安当局が防犯カメラを確認したところ、犯人が乗った車両は盗難車であった。エ 発砲事件
8月11日午前3時頃、邦人宅から100mにあるガソリンスタンドで31歳の男性が銃弾3発を被弾した。被害者は消防により病院に搬送され生命に別状は無い。事件の動機は不明であるが、付近の住民の話では同ガソリンスタンドは24時間アルコールを販売しているため、深夜レストラン等が閉まった後に若者等の溜まり場となり、頻繁にけんかが発生していた由。