海外安全対策情報 28年度第1四半期

平成28年7月5日

1.社会・治安情勢

     連邦区は、ブラジル内では比較的安全と言われていたが、人口当たりの犯罪発生率で比較した場合、サンパウロやリオデジャネイロといった犯罪多発地帯である大都市と同等である。特に、衛星都市及びブラジリア中心部(プラノピロト地区)周辺では、犯罪が日常的に多発している。
 

2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)当地治安機関の2015年の統計によると、連邦区での犯罪発生件数は前年と比較して減少しているものの、住宅強盗については年間で100件以上増加しており、今までの主流であった歩行者や車両に対する強盗から、住宅に侵入し金品を強奪するという、より大胆な手口に移行してきていることが懸念される。また殆どのケースで拳銃等の凶器が使用され、抵抗すると生命に危険が及ぶため十分注意する必要がある。

     さらに2015年の統計によると、麻薬売買・所持件数は前年より大幅に増加しており、今後は麻薬に起因した犯罪が連邦区内でも増加することも懸念される。特に殺人等の凶悪犯罪は麻薬の売買や使用に関連していることが多い。

(2)邦人が多い地域での被害事案
 

ア  宝石店強盗

     5月5日午前11時頃,邦人も頻繁に使用するショッピングモール内で,拳銃を所持した2人組の男が宝石店を襲い,従業員を人質にして,高級腕時計13点と結婚指輪を盗み,盗難車で逃走した。従業員に怪我はなかった。
 

イ  他国の在外公館所有家屋に対する窃盗事件

     5月6日,邦人宅から約500mに位置する他国大使館所有家屋において,5人組の窃盗団が引っ越しトラックを使用し家具を窃盗した。窃盗団は3回に渡り窃盗を繰り返したが,不審に感じた近隣住人らの通報により,事件現場にかけつけた警察に逮捕された。窃盗団の隠れ家の倉庫には,当家屋から盗み出した家具が山積みになっていた。なお,当家屋には,現在は誰も居住していなかったが,家具等は置いたままとなっていた。
 

ウ  路上強盗未遂事件

     5月9日午後1時50分頃,邦人宅から約300mに位置した学校に向かっていた女性が,見知らぬ男に手をつかまれ襲われた。被害者の女性は助けを呼びながら,抵抗したところ,犯人は顔等を殴り,何者かが運転する車両に乗り逃走した。被害者の女性は,顔面3カ所負傷した。
 

エ  短時間誘拐

     5月15日午前2時30分頃,邦人宅から約2KM離れたレストランにおいて,食事を終えたカップルが付近に駐車した車に戻ったところ,武器を所持した男(1人)に襲われた。犯人は女性のみを車に乗せ,車を奪って逃走した。その後,男性の通報を受けた軍警察が逃走中の盗難車両を発見し,逮捕した。犯人はATMにて現金を引き出させるつもりであったと供述している。
 

オ  車両強盗

     6月16日午前7時頃,邦人子女が通学する学校至近の学校駐車場において,自家用車で登校してきた親子が学校の駐車場に駐車したところ,既に駐車していた車から拳銃を所持した男2人が降りてきて親子を脅し,車・時計・携帯電話・財布を奪って逃走した。被害者に怪我は無かった。犯人はまだ逮捕されていない。
 

カ  邦人の私有車両に対する車上荒らし

     6月23日午後12時30分頃,邦人がブラジリア連邦区内の公選高等裁判所駐車場内に自家用車を駐車し,昼食をとって戻ったところ,助手席に置いていたリュックサックが盗まれたもの。同車両の助手席側扉を確認したところ、ドライバー状のものを差し込まれた痕があった。
 

3.日本企業の安全に関わる諸問題

     特段の情報はない。