Embaixada do Japão

トピックス 2014年9月号

総理訪伯、和食セミナー・料理講習会の開催

8月2日(土曜日)、農林水産省主催の「和食セミナー・料理講習会」がチボリホテルで開催されました。「和食セミナー・料理講習会」は、「真の和食の姿とその精神」をブラジル国内に広く伝えるために、サンパウロ市内の日本食レストランの料理人や現地の料理学校生徒を対象に、寿司、出汁を使った料理などで日本食・食文化の魅力を発信するというものです。

三部構成の第一部では、風戸正義氏(国際すし知識認定証協会代表理事)、小池信也氏(サンパウロ日本料理店「藍染」「酒蔵阿吽」オーナーシェフ)、井村慎氏(井村屋アメリカ副社長)による基調講演の後、現地調理学校の生徒らによる「私の日本料理」プレゼンテーションに続いてアレックス・アタラ氏(「D.O.M.」オーナーシェフ)による講評が行われました。

第二部では、風戸氏の「魚のおろし方/酢飯の作り方とすしの握り方」、小池氏の「だしの取り方、だしを使った料理の作り方」、アタラ氏の「日本食材を使ったブラジル料理の作り方」によるそれぞれのシェフの得意分野を活かした料理実演講習会が行われました。

第三部では、第二部で作った料理を訪伯中の安倍総理大臣も参加されての試食会が行われました。

安倍総理は、作られた料理を試食し、現地料理人や料理学校生徒達との交流を深めました。

試食する安倍総理試食する安倍総理

翌3日は、場所を小池氏のレストランに移し、2日の講習会には参加できなかった人のために風戸氏による料理講習会が開催されました。鮮度が落ちたマグロを、江戸前の技法(血抜き)で匂いの元である血糊を落とし、色も蘇らせるという方法を紹介した際には現地の料理関係者からは「なるほど」といった声が聞かれるなど参加者は真剣に、また、楽しく受講していました。

このセミナーや講習会を通して本物の和食文化の普及、和食の魅力がブラジル人に伝わり美味しい和食レストランがこれまで以上に増えれば良いと思います。

セミナーにおいて実演講習を行う風戸氏
セミナーにおいて実演講習を行う風戸氏(ステージ左から3人目)

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内政

1.カンポス前ペルナンブコ州知事(大統領候補者)の死亡

(1)8月13日,大統領選候補であるカンポス前ペルナンブコ州知事(PSB)の搭乗したセスナ機がサンパウロ州サントス市の市街地に墜落し,同候補は死亡した(享年49歳)。事故機にはカンポス候補の他にヴァラダレス補佐官,ペルコル広報補佐官,リラ・ビデオカメラマン,セヴェロ公式カメラマン及び操縦士2名計7名が搭乗しており,全員死亡した。

(2)ルセーフ大統領は,カンポス候補の死亡に対して公式声明を発出し,「ブラジル全土が喪に服している。我々は本日偉大なるブラジル人を失った。偉大なる同胞を失った。」と述べた。同大統領は3日間の喪を宣言し,同大統領は選挙キャンペーンも同期間中中断した。また,ネーヴェス候補は,カンポス候補の事故死についての知らせを受けて全ての選挙日程を中断し,「知らせを受けて悲嘆に暮れている。取り返しがつかない喪失である。」とのコメントを出している。

(4)8月20日,ブラジル社会党(PSB)は,カンポス候補の死亡をうけて,同党のシルヴァ元環境相及びアルブケルケ下院議員をそれぞれ正副大統領候補として擁立することを正式に決定した。シルヴァ候補は,大統領候補指名後のスピーチの中で,故カンポス候補の意志を継いで「古い政治から新しい政治への脱却」を目指すことを強調し,また,経済政策に関しても故カンポス候補に倣い,変動相場制,財政責任,インフレターゲット及び中央銀行の独立性を維持することを公約している。

2.2014年大統領選挙:政見放送の開始

(1)8月19日,テレビ及びラジオにおける選挙の政見放送が開始された。これは,10月2日までの期間で実施される。大統領候補のテレビにおける政見放送は火・木・土の週3回,各日に2回(13時及び20時30分から)各25分間流される。ラジオにおける放送はテレビと同一曜日の7時及び12時からの2回で,各25分間。

(2)放送時間のうち,各立候補者の持ち時間は下院の各連立政党議席割合に従って割り振られる。ルセーフ大統領は11分24秒,ネーヴェス候補は4分35秒,故カンポス候補のPSBは2分3秒。

3.2014年大統領選挙:IBOPE社世論調査
  • (1)IBOPE社が,8月23日から25日にかけて2506人を対象に実施した大統領選挙に関する世論調査によれば,各候補の支持率は以下のように推移している。

 

6月7日

6月15日

7月

8月26日

ルセーフ大統領        

38%

39%

38%

34%  

ネーヴェス上院議員

22%

21%

22%

19%  

カンポス前ペルナンブコ州知事
(シルヴァ候補(8月26日のみ))

13%

10%

8%

29%   

エヴェラルド・PSC副党首 

3%

3%

3%

1%

他候補の合計

4%

6%

4%

1%   

白票/無効票

13%

13%

16%

7%  

分からない/無回答

7%

8%

9%

8%  

  • (2)事故死したカンポス候補に代わりシルヴァ候補がPSBの大統領候補となってから初めて実施されたIBOPE社世論調査では,シルヴァ候補が単独2位に躍り出ることとなった。ネーヴェス候補の支持率は19%に低下し,3位に後退した。ルセーフ大統領及びネーヴェス候補の支持率がそれぞれ4ポイント下落しており,これらの票はシルヴァ候補に流れたものと見ることができる。また,他候補の支持率は3ポイント下落しており,白票が6ポイント,態度未定が3ポイント下落している。
  • (3)決選投票に関しては,ルセーフ大統領とシルヴァ候補の決戦となる場合,シルヴァ候補が勝利するとの結果が出ている。なお,今回の調査によれば,選挙が決選投票にもつれ込むのはほぼ確実とされている。

(ア)シルヴァ候補45%,ルセーフ大統領36%(前回比8ポイント減。前回の調査では,ルセーフ大統領44%,カンポス候補32%であった。)。

(イ)ルセーフ大統領41%(1ポイント減),ネーヴェス候補35%(1ポイント減)。

  • (4)PT及びPSDBの選挙対策本部は,今回の調査結果を懸念を以て受けとめているが,シルヴァ候補の躍進はカンポスの事故死に対する同情によるものと見ている。ネーヴェス候補の選挙対策本部長を務めるマイア上院議員(DEM)は,「シルヴァ候補の大統領候補としての露出を評価した上でないと,正しい評価は得られない。」と述べ,ギマランエス下院議員(PT副党首)は,「(シルヴァ候補の人気は)長く持たないであろう。シルヴァ候補の立候補は,基盤のない泡のようなものだからである。」と述べている。
  • (5)エスタード・デ・サンパウロ紙の分析記事によれば,シルヴァ候補の躍進は,同候補が変革を求める有権者の支持を得たことが原因である。変革を求める有権者は全体の71%に達しており,これらの有権者だけで投票が行われた場合,シルヴァ候補が支持率34%で,ルセーフ大統領(24%)及びネーヴェス候補(22%)を大きく引き離している。故カンポス候補がPSBの候補であった時には,変革派の票は,ルセーフ大統領27%,ネーヴェス候補28%,故カンポス候補10%と分散していたことを考慮すると,変革派の支持を集めることのできる野党候補が初めて登場したと言える。

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外交

1.ルセーフ大統領とイスラエル大統領による電話会談
  • (1)8月11日,ルセーフ大統領は,リブリン・イスラエル新大統領との電話会談を行った。同会談において,リブリン大統領は,イスラエルの外務報道官がブラジルに関して行った発言(7月23日,伯政府がイスラエルによるガザ地区での空爆を非難する声明を発表し,駐イスラエル伯大使を召還したことを受け,イスラエル外務省のパルマー報道官が伯を「外交の小人」と呼び批判した)を謝罪した。同大統領は,同報道官が使った表現はイスラエル国民のブラジルに対する感情を反映したものではないと述べた。ルセーフ大統領は,両国が過去数十年にわたって築き上げた歴史的な絆に言及した。
  • (2)両首脳の会談では,ガザ地区における深刻な状況について意見が交わされた。リブリン大統領は,イスラエルは同国を苦しめているミサイル攻撃に対して防衛を行っている旨主張した。ルセーフ大統領は,伯政府はイスラエルに対する攻撃を非難すると同時に,数百人の市民とりわけ女性と子供が犠牲となったガザ地区における不均衡な軍事力の行使を非難すると述べた。また,国際社会での議論において一貫して表明してきた,イスラエルとパレスチナが経済的に実現可能で,安定した主権国家として共存すべきという伯の歴史的な立場をあらためて確認した。
  • (3)ルセーフ大統領は,イスラエルとパレスチナ双方の停戦及び交渉の継続が地域における平和かつ最終的な解決につながるという期待を表明するとともに,現在の危機が,イスラエル人に関するものであれパレスチナ人に関するものであれ,いかなる人種差別的な主張の口実に使われることがあってはならない旨強調した。

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