トピックス 2017年7月号

ブラジル政治情勢
[内政]
(1)テメル大統領を巡る動き
(2)ラヴァ・ジャット捜査関連
(3)ルーラ元大統領を巡る動き
(4)次期検事総長の指名
(5)重要法案審議


[外政]
(1)ヌネス外相の訪米
(2)ヌネス外相の訪中
(3)テメル大統領の訪露
(4)テメル大統領のノルウェー訪問
(5)ベネズエラ情勢


トピックス
(1)「日本人移住の日」記念・下院公聴会の開催
(2)日ブラジル刑事司法協力セミナーの開催
(3)「第56回農産展及び2017年Expo Japão」の開催

 

【内政】

(1)テメル大統領を巡る動き
(ア)3日,ローレス元大統領補佐官(PMDB)が収賄及びマネロン容疑で逮捕される。

(イ)9日,選挙高等裁判所は,ルセーフ・テメル正副大統領の選挙当選無効が提訴された訴訟において,訴えを棄却。

(ウ)19日,テメル大統領は,バチスタ元JBS社社長が「テメル大統領は汚職組織の黒幕」と雑誌インタビューで発言したことに対して名誉毀損で提訴(翌20日,連邦直轄区裁判所は右訴えを棄却)。

(エ)19日,連邦警察は,テメル大統領とローレス元大統領補佐官の収賄容疑にかかる報告書を連邦最高裁ファキン判事に提出。これを受けて,26日,連邦検察庁はテメル大統領の収賄容疑にかかる起訴状を連邦最高裁に提出。翌27日,テメル大統領は連邦検察庁による自らに対する起訴決定に反論を表明。



(2)ラヴァ・ジャット捜査関連
(ア)2日,連邦警察は,ネーヴェス元VALEC(国営鉄道会社)総裁を収賄及びマネロン容疑で逮捕。

(イ)13日,クリチバ連邦裁判所モロ判事は,カブラル元リオ州知事に対し,ペトロブラス社製油所建設に関し,工事を受注した建設会社から270万レアルを収賄したとして禁錮14年2か月の有罪判決(同元知事に対する初の有罪判決)。

(ウ)22日,連邦最高裁は,ファキン判事がJBS社の件に関しても報告者として担当することを確認(これに先立ち,アザンブージャ・マットグロッソドスル州知事が,JBS社の件はペトロブラス社汚職事件とは無関係で,ラヴァ・ジャット捜査担当のファキン判事が扱うべきではないと提訴していた)。

(エ)26日,クリチバ連邦裁は,パロッシ元文官長・元財相(PT)に対して,収賄及びマネロンの罪状で禁錮12年2か月の有罪判決。



(3)ルーラ元大統領を巡る動き
     3日,連邦検察庁は、ルーラ元大統領の収賄事件(グアルジャー市の高級マンション購入に関してOAS社から収賄)に関する最終弁論書をクリチバ連邦裁に提出。ルーラ弁護団は引き続き容疑を否認。


(4)次期検事総長の指名
     27日,伯連邦検察庁内で次期検事総長候補者を巡る選挙が行われ,ジャノー検事総長が推すニコラオ・ディノー選挙検察庁次長検事が一位,ジャノー検事総長とライバル関係にあるラケル・ドッジ検事長が二位に。翌28日,テメル大統領は,一位を指名するという慣例を破り,ラケル・ドッジ検事長を次期検事総長に指名(初の女性検事総長)。なお,ロドリゴ・ジャノー検事総長は9月で任期満了。


(5)重要法案審議
     20日,上院・社会問題委員会は,政府提出の労働法改正法案を支持するリカルド・フェラソ上院議員(PSDB)の報告書を反対多数で否決。ただし右結果にかかわらず,同法案は上院・憲法司法委員会に上程され,29日,上院・憲法司法委員会は同改正法案を賛成多数で採択。
 

【外政】

(1)ヌネス外相の訪米
(ア)2日,ヌネス外相は米ワシントンにおいてティラーソン米国務長官と会談。同会談では,二国間アジェンダ,及び,地域及びグローバルな課題について協議が行われた模様。

(イ)伯外務省HPによれば,ヌネス外相はティラーソン国務長官に対し,貿易投資,民間航空,宇宙,インフラ,エネルギー,農業,保健,デジタル経済,防衛・安全保障等の分野(における協力促進)に係る伯の提案を伝えたとされる。



(2)ヌネス外相の訪中
(ア)18~19日,ヌネス外相は中国・北京で開催されたBRICS外相会合に出席。外相らは,経済・貿易,気候変動,テロ,リビア,朝鮮半島,シリア,アフガニスタン,中東和平など,グローバルな政治,安全保障,経済,金融の分野における諸問題,及び,BRICS間の協力などについて意見交換を実施し,会合後に声明を発表。

(イ)同会合に先立ち,16日,ヌネス外相は王毅中国外交部長と会談し,第2回中国・ブラジル外相級全面的戦略対話を実施。同日,李源潮国家副主席とも会見した。



(3)テメル大統領の訪露
(ア)20~21日,テメル大統領は露を公式訪問。20日,テメル大統領はロシアの投資家との会合に出席し,伯における改革アジェンダや投資機会について紹介。

(イ)21日,伯露両首脳はクレムリン宮殿で会談。伯大統領府HPによれば,テメル大統領は,伯の最近の経済指標を紹介し,経済回復が軌道に乗りつつあることを強調しつつ,「両国の経済貿易関係は更に拡大できる余地がある。自分(テメル)は両国関係を熟知しており協働することができる。本日,この未来に向けた重要な一歩が記されたと確信する」旨述べた。

(ウ)一方,プーチン大統領は,両国間の貿易関係の進展は,露企業が伯において積極的に投資を行っていることを示している等と述べつつ,「我々は経済を中心に二国間協力事項を詳細に協議した。伯はロシアにとり鍵となるパートナーであり,今次協議は二国間関係にとって,決定的かつ有益であったと確信する」旨述べた。

(エ)両首脳は,共同声明において,対外政策及グローバルアジェンダに係る様々な課題に関し,戦略対話を促進していくことも約した。具体的には,気候変動対策(パリ協定の実施),汚職対策,テロ等である。また,露は,伯の国連安保理常任理事国入りに対する支持を表明。

(オ)首脳会談後,2018年から21年の間の政策協議の実施に係る文書,貿易障壁撤廃及び貿易投資拡大のためのインセンティブに係る文書,税関手続簡素化に係る文書等の協力文書に署名がなされた。



(4)テメル大統領のノルウェー訪問 
     22~23日,テメル大統領はノルウェーを訪問。ハラルド5世への表敬,ソールベルグ首相及びトメセン国会議長との会談と共に,同国の企業関係者代表との会合にも出席。伯外務省HPによると,今次訪問は,同国との間で,貿易投資,エネルギー,環境,科学技術イノベーション等の分野でのパートナーシップを強化することが目的とされている。


(5)ベネズエラ情勢
     28日,伯外務省はベネズエラの国内情勢の悪化を懸念する声明を発出。同声明には,伯政府が同国における緊張の高まりを強い懸念をもってフォローしていること,同国国会に対する準軍隊組織による包囲への非難,及びベネズエラ警察所有とされるヘリコプターから最高裁判所の施設への手榴弾投下に対する非難等を挙げつつ,民主的法治国家の回復は平和的手段かつ憲法規則に従って追求される必要性を指摘している。
 

トピックス

(1)「日本人移住の日」記念・下院公聴会の開催
     6月21日、下院外交国防委員会において、6月18日の「日本人移住の日」を記念する公聴会が開催されました。佐藤大使は、ゲストスピーカーの一人として参加、日ブラジル両国の友好関係や歴史的な協力実績を紹介し、来年の移住110周年に向けて、両国関係を更に強化していきたい旨を発言しました。


(2)日ブラジル刑事司法協力セミナーの開催
     6月19日、ブラジル連邦検察庁において、在ブラジル日本国大使館とブラジル連邦検察庁及びJICAブラジル事務所の共催によりの共催により、汚職対策をテーマとする日ブラジル刑事司法協力セミナーが開催されました。日本本国からUNAFEI(国連アジア極東犯罪防止研修所)所長他が出席し、日ブラジル両国の取り組みについて紹介すると共に、今後の刑事司法分やの協力に向けて協議しました。


(3)「第56回農産展及び2017年Expo Japão」の開催
     6 月14 日(水)から18 日(日)にかけてパラナ州北部のロンドリーナ文化体育協会において「第56回農産展及び2017年Expo Japão」が開催され、木村在クリチバ総領事夫妻を始め、ニシモリ連邦下院議員、ベリナッチ・ロンドリーナ市長他が出席しました。同イベントでは、盆踊り、茶道、琴、書道、和服、太鼓、漫画、コスプレなど様々な日本文化紹介が行われた他、3千を超える農産品が展示され、期間中約3万人が訪れました。また、会場では、パラナ州と姉妹州県関係にある兵庫県の物産展及びロンドリーナ市西宮市姉妹提携40周年記念式典写真展も行われ、姉妹都市交流の強化にも寄与するイベントとなりました。