最近の経済情勢 2018年7月号

ブラジル・マクロ経済情勢

(1)経済情勢等(6月発表の経済指標)
(2)経済政策等
(3)中銀の金融政策等
(4)為替市場
(5)株式市場

 

(1)経済情勢等(6月発表の経済指標)

(ア)中銀は四半期毎公表のインフレ報告書を発表し、2018年の経済成長率を1.60%(前回3月公表では2.60%)、2018年のインフレ率見通しを4.2%、2019年及び2020年のインフレ率見通しを3.7%(前回3月公表:2018年4.2%、2019年3.7%、2020年4.0%)とした。

(イ)4月の鉱工業生産指数は、前年同月比+8.9%で12か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+0.8%となり、プラスに転じた。

(ウ)4月の小売売上高は、前年同月比+0.6%で13か月連続でプラスを記録したほか,前月比では+1.0%となり、2か月連続でプラスを記録した。

(エ)全国の失業率(3~5月の移動平均)は12.7%となり,前回の公表値(2~4月の移動平均)から0.2%下落して2か月連続で改善した。

(オ)5月の貿易収支は、輸出額は191.28億ドル(前年同月比▲3.4%,前月比▲3.0%)、輸入額は132.60億ドル(前年同月比+9.3%,前月比▲3.9%)で、差引き58.68億ドル(前年同月比▲23.4%,前月比▲0.9%)となり、39か月連続で貿易黒字を記録した。

(カ)5月の拡大消費者物価指数(IPCA)は単月で0.40%となり、前月の0.22%から上昇した。また、過去12か月累計では2.85%となり、政府のインフレ目標(4.5%±1.5%)の下限値を下回る水準で推移している。

 

(2)経済政策等

(ア)6月11日、グアルディア財務大臣は、「トラック運転手のストライキ後、通常の成長軌道に戻った旨発言。しかしながら、債務返済のため改革を続けなければいけない。」旨語った。

(イ)6月12日、テメル大統領は、社会保険に予算を注入するために文化省所管の宝くじの予算減を決定。赤十字や他の機関への予算も削減する見込み。

(ウ)6月27日、最高裁は、連邦や州等が所有する企業の売却等を、議会の承認なしで売却することを禁止する判決を出した。同判決に下院議長も支持を表明。

 

(3)中銀の金融政策等

     6月20日,中銀の金融政策委員会(Copom)は、前回に引き続き政策金利(Selic)を年率6.50%に据え置くことを全会一致で決定。政策金利の据え置きの決定は、2会合連続となった。

 

(4)為替市場

(ア)6月の為替レートは、米国利上げの影響からドル高・レアル安が一段と進行し、一時的に1ドル4レアルに迫ったが、中銀の通貨スワップ介入の影響等で揺り戻され、月末の終値は1ドル=3.8765レアルとなった。

(イ)月の前半は、中銀による通貨スワップ介入により、レアル安を食い止めることに一定の効果を発揮するも、米国が利上げに踏み切り、さらに年内の追加利上げの可能性を示唆したため、レアルは一時1ドル=3.81半ばまで急進。

(ウ)月の後半もレアル安の勢いは止まらず。トラック運転手のストライキの影響及び米中貿易摩擦への懸念により3.8レアルからのレアル安が進行した。

 

(5)株式市場

(ア)6月のブラジルの株式相場(Ibovespa指数)は、前半は下落傾向、後半は1度70,000ポイントを割り込むも、それ以降は上昇傾向となった。

(イ)月の前半は、前月に発生したトラック運転手によるストライキへの対処で政府がペトロブラス総裁を交代させたこと、中国政府がブラジル産鶏肉の関税導入を発表したこと、米中貿易摩擦への懸念が再燃したこと等から株価指数は下落した。

(ウ)月の後半は、18日に70.000ポイントを割り込み、69.815ポイントとなるも、それ以降は国際的な資源価格上昇でエネルギー関連株の高騰により上昇傾向となり、71.000ポイント前後で推移した。